風景 SCENERY

沖縄の花や鳥の風景、空の印象をテキスタイルデザインに表現したのは謝敷宏。

「沖縄の有名な昔話に羽衣伝説があります。舞台である宜野湾市大謝名の森の川という地域は私の両親が住む場所で、ニューヨークから帰郷する際にはいつも立ち寄ります。
テキスタイル作家として天女の纏う、その羽衣の色や柄について私はよく思いを馳せるんです。」

もし柄が入っていたなら沖縄の花に違いない。そして、天女の羽織る衣であればSecred(神聖)で、この上なく高貴で優雅でなければならない。アカバナ(ハイビスカス)でも普通のものではなくもっと豪華なハイブリッド種かもしれない…。

そうした彼のイマジネーションが鮮烈な色とともにテキスタイルに表現されスカーフになる。それは胸の奥深くにはためく郷愁のように美しい。

Hiroshi Jashiki – 謝敷 宏
琉球大学にて故大城志津子氏に師事。
沖縄染色を学ぶ。
卒業後、沖縄県教育庁を経て渡米、Cranbrook Academy of ArtでM.F.A.(芸術系修士号)取得。
その後、教育機関やブランドで経験を積み、1998年よりCalvin Kleinにてシニアデザイナーとして勤務。
現在はテキスタイル、CADデザイン、ファインアートのアーティストとして国内外で活躍する。